もし浜辺自身が受診するとしたら、どういった目線で整形外科を選ぶかお伝えします。
《病院に行く前のポイント》
・ニーズに見合った選択肢の提供
医療圏という言葉がございます。一次医療、二次医療、三次医療…医療は、病院の規模、スタッフの数や置いてある様々な医療機器によって大きく分類されております。
一般に三次医療とされる大学病院は、高度先進医療をったり難病の治療を行うものとお考え下さい。
現在では、大学より更に再分化され高度の専門分野の治療を行う、専門病院が主流になっております。
これが国立循環器病院であったり、国立がんセンターやその前身であった(財)癌研究会付属病院であったりします。また、各地域の県立がんセンター、小児センターなどがあります。
こうした専門の病院に何でもないカゼの患者様が来院し受診する為(日本人の大病院指向)、外来の混雑が慢性的になり、良く批判される大学病院などの3分診療が存在してしまいます。
適切な掛かり付け医・ホームドクターが存在すると必要に応じて一・二次病院で入院検査や三次病院への紹介入院などがスムーズに行えます。
こうした連携や機能を十分に活用してくれて必要な時に正しい医療情報を提供し、かつ選択肢を提示してくれる病院・クリニックを念頭に選択されると良いでしょう。
・設備
整形外科には必ずと言ってよいほど置いてあるレントゲン。こちらに関しては正直、どこもそんなに変わりません。
・ホームページ
その整形外科専用のホームページがない整形外科は、止めましょう。
ネット時代と言われる現状で、ホームページを持つのは自営業として当然です。
時流に乗ろうとしていないので、古い整形外科治療をずっと継続している可能性があります。
・院長の写真と口コミ
どんな整形外科医かはやはり気になります。写真の第一印象は結構当たっていると思います。
口コミで医師の対応に否定的な意見が書いてあるところは結構当たっていると思います。
・医師会アピール
『当院は、医師会に入会しているので安心だ…。』と宣伝をされているのをたまに見受けますが、現在は、昔と違い、多くの新規開業される先生が、医師会に入会されない傾向にあります。多くは、多額な入会金に見合った医師会に入会するメリットが少ないためと考えておられているように聞き及びます。…特に試験も何も無く多額な入会金を支払えば誰でも入れる医師会員を安心の材料に挙げたりするのは、おかしな話です。
あくまで医師会は、性格上、地域に根ざした開業医師を中心とした親睦団体の意味合いが強い気が致します。互いに障害学習などを行い、学会や最先医療から遠のいた開業医の先生方のレベル向上を行い、地域医療の基盤作りに貢献している団体です。
当然、政治的な圧力団体としても以前は、強い力を持っておりましたが、昨今は、入会する先生が激減しているのが実情です。
また特定の大学病院等のアルバイト先とされる病院は・クリニックは、注意をすると良いでしょう。研修医を当直医として夜間の急救外来を行っている中小の病院がありますが、きちんとしたフォロー体制の無い病院も多々、見受けられますので、良く情報を集めて選別し受診する事をお勧めします。
病院に行った後からのポイント
・インフォームド・コンセントと横柄な医師・スタッフ
良く患者様に怒鳴る医師、カンシャクやヒステリックな態度をして…いかにも“診てあげているんだ。”…というような態度を取る医師がいる事を耳にします。こうした医師のいる病院・クリニックは、他に替えた方が得策です。如何に良い事をうたっていても…それは、インフォームド・コンセントがなっていない、行われていないも同然と考えて良いと思います。しっかりと患者様が納得されるまで医療情報を提供し、選択肢を患者様が納得された上でチョイスするのがインフォームド・コンセントです。…また、同じように患者様に対して横柄な看護師や受付などスタッフがいるような病院・クリニックも避けた方が良いでしょう。
・運動器リハビリテーションをメインで行っている
こちらは理学療法士を雇用しなければならず、採用にも育成にもかなり労力と時間とコストが掛かるため、なかなか踏み出せない整形外科もまだまだ多いのが現状です。しかし、手術している病院で理学療法士のリハビリをやっていない病院はありません。要するに理学療法士のリハビリは整形外科疾患には必要不可欠なものであるとういう証明でもあります。
牽引やウォーターベッド、マイクロ波やホットパックは整形外科に代表される物理療法ですが、短期間的な効果は認められていますが、継続的に通院していないといけず痛み止めのようなものと私は認識しています。
痛み止めだけであれば、薬局で買えばいい話ですから何も整形外科に受診する必要はありません。
リハビリ室で行うのが物理療法がメイン、もしくは物理療法だけの整形外科は、私なら受診はしません。
それは、理学療法士のリハビリテーションの効果を病院勤務時代に目の当たりにしてきたからです。
・超音波検査を使いこなしているか
これはかなりハードルは高く、本格的に実践している整形外科医はまだまだ開業医レベルだと1%以下ではないかと思います。
何故かというと、超音波検査を行える整形外科医は以前はリウマチを専門にしていたごく少数派の整形外科医のみだったからです。
それ以外の膝や股関節、脊椎、肩、手、足、腫瘍など何かしら専門にしている整形外科医でも、ほとんどレントゲンを見て、分からない部分はCTやMRIの検査をしてエコーの出番はあまりありませんし、学ぶ機会もありませんでした。
超音波検査が普及し始めたのはここ数年で、画質が良くなったり、理学療法士の中でも流行り始めたことも普及した理由でしょうか。
理学療法士のいるクリニックを中心に広まっていっている感じがします。
・料金表示と明朗会計
同種の医療技術で法外な高額の医療費を提示していたり、宣伝もイメージに偏りすぎる傾向の病院・クリニックは、注意をする事が必要です。また初めの電話のお問い合わせから、一貫として明朗な料金の提示が質問に対して無い病院・クリニックは、要注意です。…尚、初めに聞かされた金額より高い金額を請求されるなど、納得がいかない場合は、性急に決めず仕切りなおして良く考えてから決めると良いでしょう。
・担当医、及び専門性
良く耳にするところで説明をした医師と施術にあたる医師が違うだとか…大学からのアルバイトやパートの医師がその都度、手術・施術するなど一貫性の無い病院・クリニックは、注意をしたほうが良いでしょう。
場合によって、こうした診療機関は、保険診療機関でなく美容外科などの自由診療機関として落とし穴の広告をするものもあります『高度な大学病院云々…連携…。』。
また私立医大の教授が(国公立大学の教授や職員は、公務員に当たる為、こうした真似は、出来ません)ポケットマネーを稼ぐ為に、美容外科を立ち上げて医局員にやらせ独立させるなど言語道断のクリニックもありますので注意が必要です。
また現在は、大手の美容外科を中心に麻酔事故や全身管理を行う為、麻酔科医を外部から手術の際に招聘するとか、麻酔科医を常勤で置かれているクリニックが増えております。
美容外科、形成外科につきものなのが麻酔事故やショックなど様々な医療事故です。
一般に経験が無く、全身管理を行えない形成外科出身の医師が、自ら全身麻酔を担当し、同時に手術を行う。こうした病院・クリニックは、避けた方が得策でしょう。
また美容外科を選ぶ時にしっかりとした形成外科の専門医を常勤医を担当医として置いていない病院・クリニックも要注意です。
交通事故に遭った場合の整形外科の選び方についても、経験も踏まえ解説していきます。
結論、こちらの4つのポイントを押さえた整形外科を選ぶのが良いでしょう。
①整形外科の専門医がいて整形外科を主に行っている小規模病院(クリニック)
・大規模病院では緊急性の高い患者さんが優先されるため
・整形外科の専門医がいないクリニックでは的確な治療が施されないため
・整形外科を主に行っているクリニックでないと的確な治療が施されないため
②交通事故に関する情報をHPに掲載している
③リハビリテーション科がある病院
④通院しやすい病院
①整形外科の専門医がいて整形外科を主に行っている小規模病院(クリニック)
まず交通事故に遭った場合、一度の診察だけでなく通院する可能性が非常に高いです。
それを踏まえると、整形外科の専門医がいて整形外科を主に行っている小規模病院(クリニック)がお勧めです。
その理由としては、こちらの3つが挙げられます。
・大規模病院では緊急性の高い患者さんが優先されるため
・整形外科の専門医がいないクリニックでは的確な治療が施されないため
・整形外科を主に行っているクリニックでないと的確な治療が施されないため
・大規模病院では緊急性の高い患者さんが優先されるため
大学病院などの大きい病院では、緊急性の高い患者さんを受け入れる事が多く、手術が必要な方がメインとなります。
そのため、リハビリを受ける患者さんは術後の入院患者さんであることが多いです。
そして交通事故治療では、重傷でない限り外来通院が一般的です。
つまり、大学病院などの大きい病院では手術適用患者さんなど、緊急性の高い患者さんを優先させるため、交通事故治療の外来通院は受け付けてくれない、もしくはきちんと診てもらえない可能性があります。
一方で、整形外科の専門医がいる整形外科を主に行っているクリニックでは、入院が不要な軽傷患者さんを治療することがメインとなってきます。
むち打ちや捻挫など、交通事故治療の通院がちょうどこれに当てはまります。
クリニックであれば、交通事故で受傷した怪我を完治するまで継続して通院することができます。
・整形外科の専門医がいないクリニックでは的確な治療が施されないため
整形外科クリニックを選ぶのが良いのですが、注意点があります。
それは診療科目の多いクリニックです。
例えば「整形外科・内科・消化器内科・皮膚科」など、いくつもの診療科目を掲げているクリニックです。
医師は医師免許さえ持っていれば、麻酔科・歯科を除いて好きな科目をいくつ掲げてもいいのです。
そのため整形外科が掲げられているクリニックでも、
・整形外科の専門医がいない
・そのため整形外科(交通事故治療)に詳しい医師がいない
という場合があり、的確な治療が施されない可能性があるのです。
そのような事にならないためにも、HPをチェックして整形外科の専門医がいるクリニックを選ぶと良いでしょう。
診療科目の多いクリニックでも整形外科の専門医がいるのであれば、的確な診断を受けれる可能性は高いと思われます。
・整形外科を主に行っているクリニックでないと的確な治療が施されないため
整形外科の専門医がいるクリニックを選ぶ理由と似ていますが、できれば診療科目が整形外科に絞られているクリニックが良いでしょう。
先述したように、診療科目の多いクリニックでは整形外科(交通事故治療)に詳しい医師がいない可能性があります。
そのため、
・整形外科の専門医がいる
・整形外科を主としている(できれば診療科目は整形外科のみ)
この条件に当てはまる整形外科クリニックが良いでしょう。
また、診療科目が整形外科に限られているクリニックというのは、整形外科一本で経営が成り立っているということです。
それだけ整形外科医としての腕が立ち、患者さんからの信頼が厚いということなので、やはり診療科目は整形外科のみのクリニックが良いかと思います。